こんにちは、ビタミンです。
今回注目した方は、7月23日水曜日午後9時からEテレで放送の「きょうの料理・京料理人の次代を担う新和食」に講師として登場された料理人の小西雄大さんです。
小西雄大さんは、京都の歴史的伝統料理の有職料理と、食材に触らず切り分ける生間流式包丁の技を引き継ぐ老舗料亭萬亀楼の若主人だそうです。
ということで、今回は、老舗料亭萬亀楼の11代目の小西雄大さんのプロフィールと、萬亀楼が伝えてきた有職料理と生間流式包丁について調べてみました。
それでは早速見ていきましょう。
料理人小西雄大プロフィール
基本情報
名前 | 小西 雄大 (こにし たけひろ) |
生年月日 | 1987年12月22日 |
出身地 | 京都府 |
職業 | 調理師 |
最終学歴 | 東海大学体育学部卒業 |
小西雄大プロフィール

小西雄大さんは現在37歳の若手料理人です。
京都出身で、実家は、料亭「萬亀楼」で、お父様の将清さんが10代目、息子の雄大さんが11代目になります。
神奈川県の東海大学を卒業した後は、新宿にある京懐石の名店「柿傳」で3年間懐石料理の修業をされています。
雄大さんが、父親の10代目将清さんから料理を教えてもらったのは、古来から「習い事始めの日」とされる6歳になった年の6月6日でした。
雄大さんが引き継ぐべき料理方法は、秘伝とされている上に、資料等もなく全てを口伝で教え込まれたそうです。
6歳からの料理修業の上に、大学卒後に東京の老舗料理店で修業を積んで、伝統的な様式を守りながらも、萬亀楼11代目として現代感覚に合う料理を追及され、現在も修業を続けていらっしゃいます。
京都・萬亀楼の場所とお値段

小西雄大さんが若主人を務める萬亀楼の場所をご紹介いたします。
創業1722年で300年続く老舗の萬亀楼は、京都御所の西、二条城の北側に位置します。
住所は、京都府京都市上京区猪熊通出水上ル蛭子町387です。
駐車場はありますが、現在工事中のため利用できないようですが、付近のコインパーキングをご利用いただけます。
公共機関では、京都市営地下鉄烏丸線の丸太町から徒歩13分、約1キロのところにあります。
名称 | 萬亀楼 (まんかめろう) |
電話 | 075-441-5020 |
ジャンル | 日本料理・弁当 |
予約可否 | 予約可(電話・オンライン) |
営業時間 | 12:00~22:00 |
定休日 | 不定休 (要事前問合せ) |
価格帯 | 昼:10,000~15,000円 夜:30,000~40,000円 |
駐車場 | 有(但し、現在利用不可)付近に有料駐車場有 |
最寄り駅 | 市営地下鉄烏丸線の丸太町駅から約1キロ |
公式ホームページ | https://www.mankamerou.com/ |
京料理は四つに大別され、公家が用いた有職料理、お茶にちなんだ懐石料理、お寺の精進料理、おばんざいなどの町方料理がありますが、萬亀楼は、懐石料理の流れを汲み、また有職料理も受け継いでいます。
萬亀楼の利用料金は、上記表のとおり少しお高めですが、食べログの口コミを拝見する限りでは、
- 値段は高いが、京都の風情を堪能できる店。京都に来たらまた訪れたい。
- 細やかな心遣いが感じられ、商用利用に向いている。特に、外国人のおもてなしに向いている。
- お店に入る前から、完璧なお迎えをされ気持ちよく入店できる。部屋も中庭も素晴らしい。女将さんの話も楽しく有意義。料理も間違いない。めったに行けないが、また行きたい店。
と、普段使いには少し敷居が高い価格設定ですが、価格以上の料理と、細やかに気配りがされたおもてなしが好評で、機会があればまた行きたいという感想が多く見られました。

有職(ゆうそく)料理とは
有職料理の歴史


有職料理とは、
- 平安時代から続く、公家の儀式や宴会で提供された料理の様式
のことです。
元は、中国・唐の台盤料理が平安時代に伝わり、平安貴族にもてはやされたが、その後の武家社会の到来により、武士独自のアレンジが加えられ、日本独自の式典料理として有職料理が誕生しました。
江戸時代には、天皇家の料理人2人、幕府の料理人2人に、京都の民間料理人の生間(かいま)家がの料理人が抜擢されて、一緒に有料料理を作った記録があり、それ以降、生間家は、八条宮家の料理を代々担当しましたが、明治になり八条宮家が消滅したため生間家も下野しました。
現在、有職料理は、下野した生間家から京都の限られた料亭に伝えられているだけです。
有力料理のスタイル


萬亀楼に伝わっている有職料理のスタイルは
- 初箸(はつはし):会席料理の「先付」にあたる
- 添え:会席料理の「小付」にあたる
- 椀物(吸物)
- お造り
- 嶋台
です。
本来、お造りは、生間流式包丁で出すのが、本来の有職料理のようですが、お店は、普通のお造りが手提供されるそうです。
生間流式包丁が見れる祭事
生間流式包丁の歴史

生間流式包丁は、宮中料理・武家料理を伝える日本料理の流派の一つです。
包丁式とは、料理に関する作法で、故実や料理法の総称です。
生間流の「生間」とは、鎌倉時代に、源頼朝から「生間」姓を受けた料理人で、足利家・織田家・豊臣家に仕えたとされ、明治時代まで九条宮家の料理人の家系です。
お父様の萬亀楼10代目小西将清さんは、生間流包丁30代家元で、やがて雄大さんも31代家元になるようですね。
式包丁の要領


式包丁の料理法は、鳥帽子、袴、狩衣姿で、まな板の上の魚や鳥に一切手を触れることなく、包丁刀と箸(先の尖った鉄製の箸で「真魚箸』と呼ばれる)を操って捌く方法です。
食材に触れないのは、直接手で触った食材は穢(けが)れるとされ、目出度い席で用いられます。
また、食材も、目出度いとされる鯛や鯉が主に用いられます。

生間流式包丁が見られる祭事
京都市左京区吉田神楽岡町にある山蔭神社では、毎年5月8日に山蔭神社例祭を行い、生間流式包丁が奉納されます。

また、有名な祇園祭でも、7月15日午前10時から祇園町にある八坂神社で生間流式包丁の奉納がされ、さらに、左京区鞍馬貴船町にある貴船神社においても、7月7日の水祭で本宮で生間流式包丁が奉納されます。
萬亀楼では、生間流式包丁を拝見できませんが、この3つの祭事に参加すれば、生で生間流式包丁を拝見することが出来る貴重なチャンスですね。
まとめ
今回は、京都老舗料亭萬亀楼の11代目、若主人の小西雄大さんについて注目したところ、萬亀楼は大変歴史のあるお店で、雄大さんのお父様の10代目萬亀楼主人の将清さんは、平安時代から続く、公家や武士が儀式や宴会で提供された料理の様式の有識料理と、有識料理のお造りで欠かせない料理方法式包丁の一流派「生間流式包丁」の伝承者で、第30代家元と分かりました。
雄大さんは、6歳の年の6月6日から、秘伝の技を直接将清さんから教え込まれ、現在萬亀楼の11代目として活躍していますが、いずれ、生間流式包丁の31代目家元となる日も近いのでしょう。
京都には、私たちが知らない多くの伝統文化が継承されていて、そんな貴重な伝統文化を継承していく中、現代にもマッチした新しい時代の和食の創作も続けられています。
温故知新を地で行く小西雄大さんが若主人を務める萬亀楼さんは、日本人なら是非とも一度は訪れてみるべきお店のようですね。
そして、生間流式包丁が奉納される3つの祭事で、是非とも本物の生間流式包丁を拝見し、平安時代から伝わる伝統の技を見て、感じてみたいと思いました。
私たちの知らない世界で、歴史が、伝統が引継がれてきたのですね。小西雄大さん、小西将清さんのご多幸とご健勝をお祈りしたいと思います。
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