シャルル・デュトワの現在&2025年来日公演予定【クラッシック音楽館】

テレビ

 こんにちは。2月9日日曜日の午後9時からEテレ~クラシック音楽館~では、N響の名誉音楽監督のシャルル・デュトワが、昨年10月30日にNHKホールで7年ぶりにN響と共演した演奏が楽しめます。

 現在、88歳のシャルル・デュトワは、体調を崩しての公演ドタキャンなどがありましたが、その後、体調不良から復帰されての公演でした。

 今回は、そんな高齢の指揮者シャルル・デュトワの現在と、2025年の来日公演予定について調べてみました。

・ シャルル・デュトワの現在

・ 2025年のシャルル・デュトワの来日予定

  

2025年も、音の魔術師・シャルル・デュトワの演奏が日本で楽しめそうですよ!興味がある方は、最後までご覧くださいね。

それでは、早速みていきましょう。よろしければ、彼のエネルギーをビンビン感じられる番組予告動画もご覧ください。

シャルル・デュトワの現在

シャルル・デュトワのプロフィール

 通称、シャルル・デュトワのフルネームは、シャルル・エドゥアール・デュトワ(Charles Édouard Dutoit)で、スイス出身の指揮者で、1936年10月7日生まれの88歳のマエストロです。

 「音の魔術師」との異名を得て、今日最も人気のある指揮者の一人です。

Charles Dutoit

シャルル・デュトワ

今日最も人気のある指揮者の一人。ローザンヌに生まれ、現地やジュネーヴで学び、大指揮者アンセルメやミュンシュに師事、1964年にベルン響を指揮してデビューした。以降、欧米の主要楽団を多く指揮し、特に25年にわたるモントリオール響との活動は特筆される。同団を「フランスのオケ以上にフランス的」という評価を得るまでの超一流に成長させ、一躍デュトワを世界の寵児に押し上げた。フランス国立管、フィラデルフィア管などのポストも歴任。1996年からはN響常任指揮者、98年から同団音楽監督を務め、2003年から名誉音楽監督。札幌のPMFや宮崎国際音楽祭の芸術監督も務めた。2018年にはサンクトペテルブルク・フィルの首席客演指揮者に就任。

シカゴ響、ボストン響、ニューヨーク・フィル、ベルリン・フィル、バイエルン放送響、をはじめ、主要音楽都市のオーケストラに定期的に招かれ、色彩的で愉悦的リズムあふれる魅力的な演奏を披露、フランス音楽をはじめ、ストラヴィンスキーやメシアン、近代のバレエ音楽などの真髄を深いレベルで聴衆に伝えている。各地での勲章や博士号の授与も多い。録音の数は200以上に上り、2度のグラミー賞をはじめ数々の栄誉に輝いている。

(引用:KAJIMOTO URL:https://www.kajimotomusic.com/artists-projects/charles-dutoit/ )

と、日本での評価は非常に高いのですが、今回調べてみると、彼に対する海外の評価は違うようでした。

シャルル・デュトワの活躍と、セクハラ問題、健康問題

 たまごっちが流行した1996年に、N響の常任指揮者に就任したシャルル・デュトワは、1998年から音楽監督に就任しましたが、2003年6月に音楽監督を退任した後、その年の9月から名誉音楽監督に就任し現在に至っています。

 N響では、指揮者に彼を迎えたことにより、あらたにレパートリーをフランス音楽を始めとしてグローバルに広げるとともに、サウンドも色彩感を持つように変化しました。

 また、それまで国内活動が中心だったのを、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、ロシアの各主要都市で周期的に海外公演を行うようにしたことで、N響の世界的な知名度を増すことに貢献しました。

音の魔術師のシャルル・デュトワさんは、それまでドイツ音楽中心の地味なイメージのN響に明るさと華やかさをもたらして、世界的知名度の向上にも貢献した凄い人なんですね。

 こうして、N響の飛躍に大きな貢献を果たした彼ですが、2017年に4人の女性が彼から性的暴行を受けたと告発する記事が公開されたことを切っ掛けに、世界各地の複数のオーケストラが彼との公演を中止しました。

 さらに、英国ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は、彼が務める芸術監督と首席指揮者の席から退任させ、ボストン交響楽団では、彼が与えた名誉称号を剥奪のうえ関係を絶ったと発表するなど、厳しい対応を行いました。

 ところが、当時もハラスメントに対する国民的意識が低かった我が国では、前述のセクハラ事件を受けて西欧や北米ではデュトワを締め出す動きを見せる中、N響を筆頭に、日本の音楽界では彼の問題を意に介さず、逆に彼の復帰に手を貸すなど独自の対応をとって現在に至っています。

昔から、英雄色を好むと言われますが、4度の結婚歴があるシャルル・デュトワさんも、その例外ではなかったようですね。誰もが知る指揮者のカラヤンも、それが激しかったことで有名ですが…。それが許された時代、許されない時代というのがあるのでしょう。

 こうして、西欧や北米での活動の機会を減少させた彼ですが、日本での人気はいまだ衰えず、各地で精力的な活動を行っていますが、コロナ禍や高齢に伴う健康問題も見え始めています。

 2021年11月27日の新日本フィルとの共演の来日コンサートでは、彼が新型コロナウイルスに感染したために来日が中止となり、2024年6月29・30日の札幌交響楽団の第662回定期演奏会でも、何らかのウイルスに感染したとして、来日はしていたものの体調不良により出演をキャンセルしています。

西欧や北米での活動の機会を減少した彼は、高齢になっても、彼を温かく迎え入れてくれる日本がお気に入りなようですね。元々彼は、大の日本びいきの方で、和食や陶磁器の愛好家でもあり、広重や北斎の画集にも興味があるような方です。

シャルル・デュトワの現在 

 新型コロナウイルスへの罹患や、何らかのウイルスの罹患により、体調不良による公演キャンセルが見られるシャルル・デュトワですが、元々の日本びいきと、セクハラに対する社会的意識が高い西欧や北米での逆風を受けて、今年も彼は日本での公演を行うようです。

 セクハラと言えば、2023年に大きな社会問題化したジャニーズ事務所問題も、日本のマスコミが無関心を装う中で、この問題は海外のメディアが大きく取り上げたことで始めて我が国でも社会問題化しました。

 また、今年に入り元SMAPの中居さんが引退を表明された問題なども、その詳細は不明のままですが、やっと日本でも少しづつ、セクハラに対する社会関心度が高まってきた感があります。

 こうした中、比較的知識人や文化人等の有識者のファンが占る割合が多いイメージのクラッシック音楽界ですが、意外にもセクハラに対する反応は鈍く、現在、中居さん問題で世論の批判を浴びているフジテレビですが、日本の公共放送であるNHKが主宰するN響が、シャルル・デュトワ氏を現在も名誉音楽監督に据えて、蜜月関係を築いている事実を、みなさんにあまり知られていないのでしょうか。

 あるクラッシック音楽ファンの方は、

シャルル・デュトワが指揮した新日本フィルハーモニー交響楽団の公演が評判である。しかし、私が会場へ赴く足取りはとても重かった。それには二つ理由がある。

 ひつとは、デュトワによる一連の性的暴行・セクハラ行為の問題がである。
 2017年の告発報道に端を発し、芸術監督を務めていたロイヤル・フィルをはじめ多くのオーケストラが彼との絶縁を発表した。彼の行為は決して許されざるものであり、当然のことだと思う。むしろ「偉い人は何をやっても許される」が通らない世の中になったことを歓迎すべきだろう。
 だから、私は彼が何事もなかったかのように指揮台に立ち、聴衆から喝さいを受ける姿に極めて強い違和感を覚えるのだ。

と、素直に彼の音楽に向きあえない複雑な心境を吐露したあとで、

さて、実際に2公演を聴いてみて、私はその素晴らしさに圧倒された。だからといって性暴力の件を許すことはできないが、(中略) あらためてデュトワの人間性にも音楽性にもまったく共感はしないが、これからも彼が演奏するとあれば聴きに行くのはやぶさかでない。

と、彼の人間性には共感できないが、その音楽の素晴らしさに感動したと語られ、音楽ファンとしての複雑な心境を明かされています。 

さて、シャルル・デュトワの現在についてですが、調べた範囲では体調不良等の特異な情報がないこと、そして、2025年にもN響との来日公演が予定されていることから、現在もお元気で過ごされているのだと思われます。 

2025年の来日予定

 こうしたなか、N饗では、2025年9月に開幕する「2025-26シーズンNHK交響楽団定期公演」の日程、出演者、曲目を発表しました。

 その中に、実現すれば89歳のマイストロとなるシャルル・デュトワを招いて、N響との来日公演を、

第2048回 定期公演 Aプログラム

2025年11月9日 (日) 開演 2:00pm

NHKホール曲目メシアン/神の現存の3つの小典礼*
ホルスト/組曲「惑星」作品32

指揮 : シャルル・デュトワ
ピアノ : 小菅 優*
オンド・マルトノ : 大矢素子*
女声合唱 : 東京オペラシンガーズ

と、

2049回 定期公演 Cプログラム
2025年11月14日 (金) 開演 7:00pm

NHKホール

曲目
― ラヴェル生誕150年 ―
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル/組曲「クープランの墓」
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」 (全曲)*
指揮 : シャルル・デュトワ
合唱 : 二期会合唱団*

の2回予定しています。

 料金や発売日等のチケット情報についての詳細は2025年3月末に発表される予定です。

まとめ

  今回は、2024年10月30日にNHKホールで7年ぶりにN響との共演を果たしたN響の名誉音楽監督のシャルル・デュトワさんの現在と、2025年の来日予定について調べてみました。

 今回調べた結果は、

  • スイス生まれで「音の魔術師」と称される指揮者のシャルル・デュトワは、それまでドイツ音楽中心の地味なイメージのN響に明るさと華やかさをもたらして、世界的知名度の向上にも貢献した凄い人で、現在もN響の名誉音楽監督を務めている88歳。
  • 2017年に4人の女性に対する性的暴行の告発記事を切っ掛けに、日本を除く西欧や北米での活動の機会は減少している。
  • 2021年に新型コロナウイルスに感染した後は、体調不良により公演をキャンセルすることもあるが、現在健康不安を伝える情報はなく、元気に音楽活動をしていると思われる。
  • 2025年度の来日予定は、N響の11月9日の第2048回定期公演と、11月14日の2049回 定期公演の2回についてNHKから発表されている。

とわかりました。

 クラッシック音楽の指揮者として、非凡な才能を発揮され音の魔術師の異名を持つシャルル・デュトワの功罪について、今後どのような社会的評価が与えられるのか想像がつきませんが、「そんなことをした彼が、こんなに素晴らしい音楽を指揮している」と考えるか、「こんなに素晴らしい音楽を指揮している彼が、そんなことをした」と考えるかの違いでしょうから、極端な反応は控えるべきでしょうが、我が国の公共放送のNHKが主宰するN饗の名誉音楽監督を2003年以来続けているというのは、「だからNHKなんだ…」と考えるのが良いのか、「あのNHKが、何故?」と考えるのが良いのか、2月9日日曜日の午後9時からEテレ~クラシック音楽館~を楽しみながら、じっくり考えてみたいと思います。

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