こんにちは、ビタミンです。
8月2日土曜日午前10時からのテレ朝「題名のない音楽会」では、お馴染みのボレロが取り上げられます。
何度聞いてもラヴェルのボレロのフィナーレは感動的ですよね。
今回番組では、「名指揮者の考察!ボレロはなぜ繰り返すのか?を探る音楽会」と題して放送されますが、演奏者のカメラワークがメロディーを奏でる楽器とリンクしていないか気になって、ボレロのメロディーの楽器演奏順と伴奏の楽器に調べてみました。
ボレロのメロディーの楽器演奏順と伴奏の楽器について
小太鼓のリズムから始まる世界…
ご存じのとおり、ラヴェルのボレロは、小太鼓(スネアドラム)の伴奏のリズムから始まります。
この、三拍子のリズムに最初にメロディーを載せてくる楽器は…?
と改めて聞かれると、なかなか思い出せないものですよね。
小太鼓が刻むリズムの伴奏は、最後の2小節以外は、ずっと繰り返されます。
メロディーはAメロ、Bメロの繰り返し…
また、メロディーもAメロと、Bメロの2種類しかない中で、それぞれメロディーと伴奏を奏でる楽器の順番と組み合わせを変えることで、単調な中でも豊かな世界を奏でてくれますよね。
メロディー担当楽器と演奏順、及び伴奏担当楽器の一覧表
リズム演奏順と担当楽器、及び伴奏担当楽器の一覧表をつくりましたので、今後、ボレロの演奏動画をご覧の際は、必ず、この一覧表と睨めっこをしてください。
おそらく、指揮者の姿を映し出す以外は、どの番組でも、
- メロディーを演奏している楽器の演奏者を映しだしている
はずなので、もしも、この表と違う楽器でメロディラインを奏でていれば、誰かが編曲していることになりますね。
おおむね、通常は15分程度の演奏時間となりますが、この表を見て、メロディーライン演奏の楽器の確認をして楽しさ2倍、画像は無くても、リズム演奏担当楽器の音を聞いて確認して楽しさ3倍と、ボレロの15分間があっという間に楽しく終わってしまいますよ。
それでは、ご覧ください。
メロディー担当楽器と演奏順 | 伴奏担当楽器 |
1:第1フルート (Aメロ) | 1:スネアドラム |
2:第1クラリネット (Aメロ) | 2:第2フルート |
3:第1ファゴット (Bメロ) | 3:第1フルート |
4:小クラリネット (Bメロ) | 4:第2フルート |
5:オーボエダモーレ (Aメロ) | 5:ファゴット |
6:第1フルート・第1トランペット(弱音器あり) (Aメロ) | 6:第1ホルン |
7:テナーサックス (Bメロ) | 7:第2トランペット |
8:ソプノサックス (Bメロ) | 8:第1トランペット |
9:ピッコロ・ホルン・チェレスタ (Aメロ) | 9:第1フルート・第2ホルン |
10:オーボエ・オーボエダモーレ・コーラングレ・第1、第2クラリネット (Aメロ) | 10:第4ホルン・第3トランペット・第2ヴァイオリン・ヴィオラ |
11:第1トロンボーン (Bメロ) | 11:第1フルート・第2ホルン・ヴィオラ |
12:フルート・ピッコロ・オーボエ・コーラングレ・クラリネット・テナーサックス (Bメロ) | 12:第4ホルン・第1トランペット・第2バイオリン |
13:フルート・ピッコロ・オーボエ・クラリネット・第1バイオリン (Aメロ) | 13:第1、第2ホルン |
14:フルート・ピッコロ・オーボエ・コーラングレ・クラリネット・テナーサックス・第1、第2バイオリン (Aメロ) | 14:第3、第4ホルン |
15:フルート・ピッコロ・オーボエ・コーラングレ・第1トランペット・第1、第2バイオリン (Bメロ) | 15:第1、2ホルン |
16:フルート・ピッコロ・オーボエ・コーラングレ・クラリネット・第1トロンボーン・ソプラノサクソフォーン・第1、第2バイオリン・ヴィオラ・、チェロ (Bメロ) | 16:ホルン |
17:フルート・ピッコロ・トランペット・サクソフォーン・第1バイオリン (Aメロ) | 17:オーボエ・クラリネット・ホルン・第1、第2バイオリン・ヴィオラ・チェロ |
18:フルート・ピッコロ・トランペット・第1トロンボーン・サクソフォーン・第1バイオリン・ピッコロトランペット・テナーサックス (Bメロ) | 18:オーボエ・クラリネット・ホルン・第1、第2バイオリン・ヴィオラ・チェロ |
こうして、一覧表にしてみると、フルートの出番が目立ちます。
さすが、フルートは木管楽器の花形で、オーケストラにおいても高音域を担当して、演奏に華やかさや彩りを加え、オーケストラの音楽に独特の魅力を与えますね。
それでも、他の楽器もそれぞれの出番があり、最後は、全ての担当楽器がありったけのエネルギーをぶつけてAメロと、Bメロを奏で挙げて、クライマックスを迎えると同時にフィナーレとなります。
ボレロとは
ボレロとは…
あまりにも、ラヴェルのボレロが有名なので、ボレロ=ラヴェルなのですが、改めて調べてみると
- ボレロ(衣服):主として女性向けの衣類
- ボレロ(ダンス・音楽):スペイン起源の舞踏及び舞曲、3拍子
の意味がありました。
衣類のボレロも、元々スペインの民族舞踏曲の踊り子が着ていた上着の事で、有名なのは、スペインの闘牛士のジャケットが典型的なボレロといわれています。
ダンスと音楽のボレロも、4分の3拍子で踊るもので、いずれもスペインが起源となっています。
ラベルのボレロ
ボレロの作曲家は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルさんです。
今年は、ラヴェル生誕150周年の年だそうです。
Aメロ、Bメロの繰り返しと、同じリズムの伴奏の繰り返しが特徴なこの曲は、実はバレエ曲として作曲されたものです。
初演は1928年で、パリのオペラ座で、日本でも1931年には、日本青年会館でN饗の前身となる新交響楽団により披露されています。
バレエ曲としてつくられたいるので、バレエのストーリーは、
- スペインのセビリアのある酒場が舞台で、一人の踊り子が、舞台で足慣らしをしているところから物語は始まります。次第に踊りに熱が入ってきて動きが大きくなってくると、最初は、踊りの興味を示さなかった酒場のお客さんも、次第に踊り子に注目して、最後には一緒の踊り出した。
というものです。なるほど、このストーリーにピッタリの曲ですね。
番組情報:題名のない音楽会
8月2日土曜午前10時からの題名のない音楽会では、日本を代表する指揮者の角田鋼亮さんが、ラベルがこのボレロという曲で何をつたえたかったのかを徹底的に考察して解説してくださいます。
楽しみですね。
まとめ
今年生誕150周年を迎えた、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルさんの代表曲、ボレロについて調べてみました。
今回は、題名のない音楽界で、作曲家のラヴェルさんが、この曲で何を伝えたかったのかについて解説がありますが、もともとこの曲は、バレエ音楽として作曲されたものだと分かりました。
そのストーリーも、スペインの酒場で踊り子が、最初は足慣らしにステップを踏んで、次第に興に乗ってダンスを踊り、最後に酒場の客全員が一緒になって踊り出すという、極めて分かり易いもので、その雰囲気を約15分間の曲で見事に表していることが分かりました。
とはいえ、実際にバレエ音楽としてボレロを聞いた経験はなく、最近はもっぱらフラッシュボムの動画で拝見する機会が多いような気がします。
最初は小太鼓の軽快なリズムから始まり、段々とメロディーを奏でるが楽器が増えていき、最後のクライマックスに向けて演奏が盛り上がり終わる15分間の中で、メロディーを奏でる楽器や伴奏をする楽器について一覧表を作成して、それを見ながら演奏動画を確認すると、今までただ単に聞いていた約15分間の演奏がとても楽しく聞こえてきました。
皆さんも、これを機会に、是非一覧表とにらめっこしながら、ボレロを聞いてみてください。
きっと、今までより3倍楽しくボレロが楽しめると思います。
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