MoMA(モマ)に永久収蔵された剣持勇の椅子の値段は?【新美の巨人たち】

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 「新美の巨人たち」で紹介されたデザイナーの剣持勇さんの椅子のお値段が気になります。

 というのも、この椅子は芸術作品としても認められていて、その証拠に1964年に日本の家具として初めて

  • アメリカのニューヨーク近代美術館MoMA(モマ))に永久収蔵された椅子

としても有名なのです。

 えっ、あのニューヨーク近代美術館MoMA(モマ))に永久収蔵されたコレクションと同じものが手に入る?となると、俄然、興味が湧いてきますね。

 そして、次に気になるのが、

  • 私でも本当に手に入る位のお値段なの?
  • 仮に、無理して買ったとしても、私の小さな家にも置けるサイズなの?

などと色々気になりますね。

 ということで、今回は、デザイナーの剣持勇さんの椅子のお値段を調べてみました。

 また、剣持さんがデザインした家具以外の意外なモノについて気になる方は、是非最後までご覧ください。あまりに、身近なモノすぎて、驚きますよ…、きっと!

MoMA(モマ)に永久収蔵剣持勇の椅子

椅子の名前はアームレスチェア C-3160

 はい、番組でシシド・カフカさんが座って、「いいですね。安心感があります。」と感想を述べたニューヨーク近代美術館MoMA(モマ))に永久収蔵されている籐(とう)製の椅子の名前は、「アームレスチェア C-3160 」で、新潟県長岡市のメーカーで制作された椅子です。

    引用:株式会社ワイ・エム・ケー長岡

 現在、この椅子は、新潟県長岡市高見町に所在する株式会社ワイ・エム・ケー長岡で製造されています。

 当時この椅子を制作したのは、この会社の前身の「山川ラタン」という会社で、現在の西脇会長のおじいさまの山川譲さんと、その弟さんの二人で約65年前に創業されました。

 当時、山川ラタンは、新潟県長岡市と、東京に会社があって、創業者の山川さんは、某デザイン研究所の講師もしていたことから、アームレスチェア C-3160については、企画の段階から剣持さんと一緒に制作に携わりました。

 籐(とう)の作品自体は、昔からある伝統的な素材なのですが、1960年当時には、籐(とう)がユニークな素材だと言われて人気となり、山川ラタンでは、最盛期には70人から80人の職人さんを抱えていました。

 籐家具の基本的な製法は昔から変わっていません。

 籐を熱で形作るには、ボイラーの水蒸気を当てて曲げて柔らかくして、火であぶりながら型に押し込んで形成し、網の部分は手編みで、すべての工程を職人さんの手で作る手法は、現在の株式会社ワイ・エム・ケー長岡にも引き継がれています。

アームレスチェア C-3160 誕生の経緯

 ニューヨーク近代美術館に永久収蔵されたこの椅子は、1960年3月22日に開業したホテルニュージャパンのバーラウンジに配置するためにつくられたものです。

 ホテルニュージャパンは、1982年に火災を起こし廃業したことで有名ですが、バーのラウンジ用に制作されたこの椅子は、発表してすぐに話題になりました。

 そして、現在も作りづづけられている椅子が、アームレスチェアC-3150C-3160の2つとなっています。

剣持勇の椅子の値段は?

 現在も、株式会社ワイ・エム・ケー長岡で作りづづけられている剣持勇さんデザインのアームレスチェアは、「C-3160」と、「C-3150」の2タイプです。

 体格の良い外国の方にもゆったりと座っていただけるサイズ(W900mm・D855mm・H725mm・SH380mm)の「C-3160」の現在のお値段は、一脚319,000円です。

 そして、全く同じデザインながら、日本人の体格に合ったサイズ(W810mm・D780mm・H720mm・SH380mm)の「C-3150」の現在のお値段は、少しお得な一脚286,000円です。

 皆さんも、このアームレスチェアの写真を見ると、「そういえば、この椅子って…、あの高級ホテルで見たことあるよね。」と記憶がよみがえった方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?

 この椅子、私たち庶民でも、ギリギリ無理をすれば、決して買って買えない金額ではないようですが、それよりも、問題と感じるのは、「このような立派な椅子を置いても似合う大きな部屋」があるお屋敷に住むことが、ちょっと無理なような気がしてきました。

 ちなみに、この2タイプの椅子とも、株式会社ワイ・エム・ケー長岡のホームページから、ネット注文できますが、注文から納品まで一カ月程度かかるようです。

 広いお屋敷にお住まいの方は、是非、ご検討ください。

剣持勇wiki【新美の巨人たち】

 この、ふっくらしたシルエットで、流れるような曲線を持つラタンチェアをデザインされたのは、日本を代表するインテリアデザイナーの故剣持勇(けんもちいさむ)さんです。

 剣持さんは、ジャパニーズモダンと呼ばれるデザインの礎を創られた方です。

        引用:PEN ONLINE

 剣持さんは、1912年に東京都で誕生され、現在の千葉大学工学部デザイン学科にあたる東京高等工芸学校木材工芸科を卒業。

 その後、現在の経済産業にあたる商工省の工芸指導所に技師として採用され、椅子に求められる機能性の研究を行ない、1952年には、日本人デザイナーとして初めて米国視察をされた後、お仲間と日本インダストリアルデザイナー協会を結成されました。
 その後、1955年には、「剣持勇デザイン研究所」を設立して、重ねて収納できる背もたれや肘掛けがない1人用の椅子(スツール)をデザインし、1958年からは、秋田木工からスタッキングスツールとして販売が開始されました。

 そして、剣持さんは、家具のデザインだけでなく、1956年には、大和証券ビルの内装や、住友ベークライトのショールームの内装を手掛けました。

 また、1958年には建築家の丹下健三さんが設計した四国高松にある香川県庁舎のインテリアを担当したり、ブリュッセル万国博覧会 の日本館の展示設計を担当したりされています。

 そして、1960年に、ホテル内のインテリアの仕事をされた時に、籐製のラウンジチェアをデザインされ、剣持さんの代表作といわれるラウンジチェアのアームレスチェアC-3160が、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションに選ばれました。

 その後も、剣持さんお活躍は多岐にわたり、1966年に国立京都国際会館のインテリアを担当しました。

 そして少し変わったところでは、1968年には、乳酸菌飲料「ヤクルト」の容器や、世界初の飲むタイプのヨーグルト「ジョア」の容器をデザインしたり、日本航空の航空旅客機ボーイング747のインテリアを担当されましたが、うつ病にも悩まされ、1971年に新宿のご自身の剣持デザイン研究所2階所長室で59歳でお亡くなりになりました。

 今回放送(1月11日土曜日、夜10時から10時半)の新美の巨人たちでは、ラタンチェアを作成するために、職人に方々がラタンを曲げ、組み、編みこむ、その超絶技巧を全て紹介して下さるほか、ニューヨーク近代美術館に永久収蔵されたアームレスチェアC-3160誕生物語もみられます。

まとめ

 今回は、ニューヨーク近代美術館MoMA(モマ))に永久収蔵された籐製の椅子、アームレスチェアC-3160値段について調べてみました。

 その結果は、

・外国人の体格にもあったサイズのアームレスチェアC-3160は、一脚319,000円

・日本人の体格にあったサイズのアームレスチェアC-3150は、一脚286,000円

・現在製造しているのは、新潟県長岡市高見町に所在する株式会社ワイ・エム・ケー長岡で、同社ホームページからネット注文可能。

・発注から納品まで約一カ月(30~40日)位必要。

と分かりましたが、元々、ホテルのラウンジようにデザインされた椅子なので、私たち庶民でも無理をすればギリギリ手が届かないでもない微妙な値段ではありますが、この椅子の購入を検討する以前に、この椅子を置ける位の広さを持つ住宅に住んでいないので、今も、どこかの高級ホテルのラウンジでこの椅子を見つけて、是非ともその座り心地を楽しむことができたらなと願います。

 ちょっと、私には贅沢かな…(笑)

 

 

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