こんにちは、ビタミンです。
静岡県伊東市の田久保真紀市長に関して、百条委員会は、7月11日、第一回目の委員会を開き、「卒業証書」とされる文書の提出を市長に求めることが決まりました。
今回の委員会では、田久保市長が欠席する中、同市秘書広報課長が出席し、赤い角印の押された卒業証書なるものを確認したとの証言がありました。
今回は、大学を除籍になった人が、偽の卒業証書を作成して使った場合、どのような犯罪になるのか、また、その犯罪を罰するにはどのような手続きが必要なのかを調べてみました。
偽の卒業証書を作り、他人に見せるのはどんな犯罪になるのか?
第一回百条委員会が開催
風光明媚な観光地、童謡「未完の花が咲く丘」の誕生した舞台となった静岡県伊東市で今年湧きおこった、田久保真紀市長の学籍詐称問題で、同市の百条委員会は、本日、第一回目の委員会を開催しました。
今日の委員会には、田久保真紀市長自身は、公務を理由に出席していません。
今日の委員会では、市役所の幹部職員の証人尋問が行われました。
秘書広報課長の証言に注目
注目されるのが、同市の秘書広報課長に対する証人尋問でした。
委員から、伊東市の広報誌に、市長のプロフィールを「大学卒業」と記載した経緯の説明を求められた中で、山下明子秘書広報課長は、卒業の事実を確認するために、卒業証書を確認したとして、
・ 田久保市長に、「卒業証書を拝見させてください」とお願いして卒業証書をお持ちいただいた。
確認した卒業証書には、ちゃんと赤い角印も押してあって、私が「平成4年3月のご卒業なんですね」と卒業した日付をしっかり確認している
などと証言されています。
この証言から、大学を除籍処分となった田久保市長が、少なくとも山下秘書広報課長に、卒業証書又は、卒業を証明する書類として、赤いハンコが押してある文書を示したことが明らかとなりました。
偽物の卒業証書は、どのような犯罪に問われるのか
田久保市長が、大学を卒業していない以上、大学から卒業証書や、その他大学卒業証明書等の書類が作成・発行されることはあり得ません。
という事で、このケースで考えられる違法な行為は、
・ 田久保真紀市長は、令和7年5月頃から6月4日までの間、利用する目的で東洋大学の卒業証書を偽造した
・ 6月4日に、伊東市の広報紙作成を担当の市役所職員(山下秘書広報課長)に対して、偽造した文章(卒業証書)を見せて、田久保市長が大学卒業した事実があるとだました
という2つの行為で、偽の卒業証書を造った行為は、
・ 刑法第159条第1項 有印私文書偽造罪
に該当し、偽に卒業証書を他人に見せて騙した行為は、
・ 刑法第161条第1項 偽造私文書行使罪
に該当し、有印私文書偽造罪の法定刑も、有印私文書の偽造私文書行使罪の法定刑のどちらも3月以上5年以下の懲役となります。
犯人を捕まえるために必要な手続きは何か?
犯人を訴える方法
一般的に、刑法に触れる犯罪を犯した犯人を捕まえて罰してもらう方法は、大きく分けて
⓵ 被害届を出す
② 告訴する
③ 告発する
の3通りです。
今回の、偽の卒業証書を作って、単に示して嘘を信じさせた行為を罰するには、⓵の場合は、どのような被害を受けたのかを証明するのが面倒なので没。
②の場合は、告訴する犯罪は親告罪という名前であらかじめ決められていて、今回は親告罪に該当しないので没。
ということで、今回は、犯罪があると分かれば誰でもできる告発という方法で、捜査機関(警察か検察)に訴えることが出来ます。
訴えを認めてもらうための条件
とはいえ、誰でも好き勝手に告発しても、それがすべて受付(受理)されるわけではありません。
告発を受付してもらうためには、告発の要件「犯罪事実の申告があること。」「 犯人処罰の意思表示があること。」「 告発人は実在する人物であること。」を満たすことが不可欠となります。
百条委員会の今後の動き
今回の第一回百条委員会では、市幹部職員の証人尋問の他に、渦中の田久保市長に対して、
・ 7月18日を期限として、卒業証書と思われる議長等にチラ見した書類の提出を求める
ことを決議しています。
仮に、田久保市長が、その卒業証書と思われる書類を提出すれば、その書類を証拠に、百条委員会でも、山下秘書広報課長のどちらでも、有印私文書偽造・同行使の罪で田久保市長を告発することが容易になるでしょう。
仮に、田久保市長が同書類を紛失した等の理由を付けて、提出を拒んでも、今回の、山下秘書広報課長の証言があれば、告発は受理されると思われます。

警察も、慢性的に人手が足りないので、全ての告訴を受理している訳ではないようです。
証拠が足りないとの理由などで、受理を引き延ばしたり、不受理としたり、色々あるようです。
また、犯人が、有力者である場合は、政治的な圧力を受けて、すんなりとは受理をしない場合も多くあるようですね。
まとめ
今回は、7月11日に行われた、静岡県伊東市の百条委員会の市幹部職員の証人尋問に注目してみました。
田久保真紀市長に、卒業証書(又は証明書)を見せられ、卒業の事実を確認した山下秘書広報課長の証言から、田久保市長の示した書類には、赤い角のハンコが押印されていたことが分かりました。
これにより、田久保市長に対して、偽物の卒業証書(又は証明書)を作って、他人に示して嘘の事実を信じさせたとう、有印私文書偽造・同行使の罪の疑いが濃厚となりました。
山下課長の証言は、卒業年月日を確認したことも明らかした具体的な内容で、これまで、伊東市議会議長さんなどが、「チラッとしか見せてもらえなかった書類」とは明らかに状況が異なり、山下課長の証言があれば、かなりの確率で、有印私文書偽造・同行使の罪の立証が可能になると思われます。
百条委員会での証人の発言は、仮に嘘を証言すれば、その証言が虚偽証言として罰せられることから、通常であれば山下課長の証言の信憑性(信頼度)はとても高いでしょう。
今月18日を期限にされた、田久保市長が示した書類が提出されるのか?百条委員会が、田久保市長を告発するのか?今後の展開に目が離せませんね。
田久保市長が、市長になる以前に経営していたカフェでは、その接客も人気だったようですが、さすがに、伊東市の約61,442人の市民を代表する市長という重責を担う立場では、なかなか、ちょっとしたジョークや、軽いノリで行われた事実と異なる話(うそ)も、笑い話では済まされないですね。
真実は、今後の百条委員会で明らかになると思いますので、今後とも、注目していきたいと思います。
最後に、田久保市長が経営する、現在一時休業中の人気カフェについては、こちらの記事でご確認ください。
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