今回、Eテレの「沼にハマってきいてみた」では、ニッポンの芸能「神楽」!が紹介されます。
神楽の魅力にとりつかれた小学生5人が、人気演目の「大蛇(おろち)」を舞う勇姿が印象的でした。
この記事では、小学生が演じていた神楽の人気演目「大蛇」と、簡単な神楽の歴史と魅力についてまとめてみました。
人気演目「大蛇」について
ストーリー
悪業のため高天原を追われた須佐之男命(すさのおのみこと)という神様が、出雲の国の斐川という地域にさしかかった時の話です。
そこに、一組の老夫婦が嘆き悲しんでいたので、理由を聞いてみると、8人いた娘が、毎年一人つづ、大蛇に奪われていって、今年は、最後の一人になった8番目の娘がとられるので、それを悲しんでいたと知るのです。
そこで、須佐之男命(すさのおのみこと)が活躍して大蛇をやっつけて退治して、その時切り裂いた尻尾から出てきた剣が、三種の神器の一つといわれる「草薙の剣」で、やがて須佐之男命(すさのおのみこと)は、この時助けた娘さんと結婚した…、というストーリーです。
登場人物(蛇)等

写真で、大蛇にまかれているのが、主役の須佐之男命(すさのおのみこと)です。
須佐之男命(すさのおのみこと)は神様で、太陽を神格化した天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月を神格化した月読命(つくよみのみこと)の二人とともに、最も尊い神様の一人とされています。
他の登場人物(蛇)を紹介しましょう。



左端の写真の方が、最後に須佐之男命(すさのおのみこと)に助けられ、後に結婚した、8人姉妹の最後の一人の
- 奇稲田姫(くしいなだひめ)
です。色白で面長の美形は、現在でも美人として十分通用出来ますね。
写真中央の老夫婦が、奇稲田姫(くしいなだひめ)のお父さんの
- 足名椎(あしなづち)
とお母さんの
- 手名椎(てなづち)
さんです。
そして、右の大蛇が
- 八岐大蛇(やまたのおろち)
といわれる、頭が8つ、尾が8つある神話に登場する伝説上の怪物となります。
大蛇(おろち)の人気の秘密
演目「大蛇」に登場する大蛇のサイズは、なんと約17メートルもあり、間近で観ればそれはもう迫力満点でしょう。
また、おろちはスモークの中から登場して、須佐之男命(すさのおのみこと)に襲い掛かるシーンは、大蛇の胴体の中に身を隠した踊り手の姿が一切見えず、物語の雰囲気を壊すことなく、迫力満点の中で楽しめるので、この大蛇の演目は、一番人気の高い神楽です。
2分45秒にコンパクトにまとめられた迫力満点の大蛇の動画があるので、よろしければご覧ください。
神楽の歴史と魅力について
神楽の歴史
神社の祭礼などで奉納されることが多い「神楽(かぐら)」とは、人々が豊作祈願や厄払いなどを目的にして演じる歌や舞、そして楽器演奏など、神事芸能のことです。
神楽の起源は、日本神話の「天岩戸伝説」で、天照大神が天岩戸に隠れた際に、天鈿女命(あめのうづめのみこと)が舞ったのこととされています。
神楽は、神を招いて、鎮魂する儀式とし行われましたが、その種類は、大きく分けて2種類で、宮中で伝承されてきた「御神楽」と、一方民間で独自に発展してきた「里神楽」とがあります。
「御神楽」は、現在も内侍所御神楽(ないしどころのみかぐら)として、天皇即位の大嘗祭に催されるなど、途絶えることなく受け継がれています。
「里神楽」は、巫女・神主・山伏といった宗教者や、民間の人々によって広く伝えられ、地域に根付いた神楽として、その地域の特色や歴史を反映しています。
現在でも全国に多くの里神楽が継承されていますが、いつごろから民間で神楽が行われるようになったのか、その起源ははっきりしていません。
神楽の魅力
神楽の魅力は、華やかで迫力のある舞と、神話や民話を題材にしたストーリー、そしてその地域に根ざした文化にあります。
特に、石見神楽や広島神楽は、独自の発展を遂げており、観光客にも人気があります。
そして、真面目一方ではなくて、途中に観客を楽しませるようなセリフ等を混ぜ込んでエンターテインメント性にも優れているので、現在もその人気は衰えることがありません。
まとめ
今回は、日本の伝統芸能として今なお人気が高い神楽についてまとめてみました。
その中でも大蛇(おろち)という演目は、そのスケールの大きさから、他の演目とは異次元のレベルの迫力があり、一番人気となっている神楽と分かりました。
大蛇が有名なのは、島根県で受け継がれている石見神楽で、島根県江津市の神楽社中が出演します。
皆さんも、小学生がはまってしまった神楽を、観客席からお楽しみくださいね。
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