こんにちは、ビタミンです。私も60を過ぎて、加齢臭が気になる年代に入ってきました。
先日、小学校3年の男の子と将棋をしていて、傍で見ていた小学4年生の男の子が私の膝の上に乗ってきて局面を観戦し始めました。
その子は、ふと私の右腕を鼻に押し当てて、服にしみ込んだ匂いを嗅いで「お爺ちゃんのにおいがする」と一言。
おお、ついに自分も加齢臭で孫世代に嫌われる年齢になったかとショックを受けたのですが、その子の話では、私の服から、大好きな自分のお爺ちゃんと同じ匂いがして嬉しかったのだそうです。(笑)
この子は、たまたまお爺ちゃん大好きっ子だったのでしょうが、一般的に、忌み嫌われる加齢臭について、その正体と、孫に嫌われない加齢臭と口臭対策について調べてみました。
それでは、早速見ていきましょう。
お爺ちゃんのにおいの正体
お爺ちゃんの匂いの正体は、一般的に、加齢臭と口臭の二つに分かれるそうです。
加齢臭とは、どんな匂い?
加齢臭といっても色々あって、自分がどんな匂いを発しているのか分かりませんよね。
一般的に、代表的な似た匂いとして、次の6つがあげられます。
古い油のにおい
古い油が、空気中の酸素で酸化して出す、あの嫌な臭いです。
天ぷらに使った天ぷら油を、しばらく放置しているとするあの匂いですね。
古い蝋燭(ろうそく)のにおい
ろうそくの原料のパラフィンも、油の一種で石油由来の物です。
古い油と同様に、ろうそくも古くなると酸化して不快なにおいがするメカニズムは、油と同じです。
枯草のにおい
これまで説明した油っぽい匂いのほかに、加齢臭には青臭いというものがあります。
枯草を放置すると、草本来の青臭さの中に、草が腐敗したときの匂いが混ざりこむため、加齢臭を、単に植物の青臭さといわずに、青臭さに腐敗臭がまざった枯草の匂いと表現されることもあります。
また、枯草のにおいと同じ意味で、古い畳の匂いとか、干し草のような匂いという場合もあります。
古本のにおい
古本屋にいけばすぐに感じるあの匂いですね。
古本には、本を読んだ方の手の脂が残っているので、時間の経過とともにその脂が酸化して加齢臭を発生させているのです。
また、本に印刷されているインクも油なので、インクも酸化するし、本のページは紙でできているので、紙が劣化すると、枯れ草と同じ匂いがします。
ということで、古本の匂いは、皮脂とインクと紙という加齢臭を発生させる3つの要素が混ざっているので、やはり、古本屋さんの匂いは、分かりやすい加齢臭の匂いかもしれませんね。
カメムシのにおい
捕まえると青臭い強烈なにおいを出すカメムシ。
その匂いは、少し前に流行った食材パクチーの青臭い匂いに似ています。最近は、カメムシの匂いを知らない方も増えているそうですが、カメムシの匂いを知っている方にとっては、あのパクチーの匂いとお味は、拷問に近い嫌悪感を感じさせられると話される方もいるようです。
祖父母のにおい
加齢臭は、年配の人から漂いやすい匂いのため、祖父母の匂いといわれます。
ですから、今回のテーマ「おじいちゃんのにおい」は加齢臭なのですね。
ただし、加齢臭を嗅ぐと、祖父母を思い出して懐かしい…、と不快なにおいとして感じない方もいるようです。
ただ、高齢者の加齢による体臭以外に、慢性疾患に由来する匂いとか、介護(尿漏れや脱糞)に由来する匂いが混ざりこんだ場合は、それらな加齢臭とは異なるものですが、一般的にはそれらの本来加齢臭に分類されない匂いを含めて、最近では加齢臭と呼んでいるようです。
加齢臭の正体
加齢臭の正体は、ノネナールという物質だそうです。
ノネナールの特徴は二つあり、
- 油臭い
- 青臭い
ことです。
東京都老人総合研究所運動・自律機能相関研究グループ堀田晴美の著書「高齢者の体臭について」によれば、ノネナールは40歳以下では全く検出されないものが、40歳以上になると大きく増加するそうです。
ですから、加齢臭は、シニア特有の匂いではなくて、40歳を超えた壮年層から既に発生しているようですね。
ちなみに、ノネナールを多く含む食品5つは、
ビール
ノネナールは、ビールの香り成分の一つです。以外にもビールのあの豊かな香りはノネナールによるもです。
ただし、過ぎたるは及ばざるがごとし…、といわれるように、ビールが劣化してノネナールが増えすぎると、逆にノネナールが不快な匂いに感じられます。
お店で飲んだ生ビールの匂いに違和感を感じた時は、ビールの管理状態が悪いお店といえます。
ただし、ビールの場合もそうですが、多少のノネナールは決して不快な匂いではありませんが、それが増えすぎた場合に初めて不快な匂いとして感じられるのです。
蕎麦
新蕎麦は、蕎麦の香りが立っていて…、と重宝がられますが、実は、蕎麦の香りの中にもノネナールは入っています。
蕎麦のにおい=いい匂いといわれますが、自分の体臭から蕎麦のようなにおいがしたら、それが加齢臭です。
食用油
食用油が劣化して酸化すると、ノネナールが油の中で生成されるので、自分の体臭から古い食用油のにおいがしたら、それが加齢臭です。
キュウリ
なんと、キュウリの青臭さの元は、ノネナールです。
青臭いキュウリの匂いを嗅ぐと、キュウリの新鮮さを感じられるのですが…、自分の体臭からキュウリの青臭いにおいがしたら、それが加齢臭です。
スイカの皮
また、スイカの皮からキュウリの匂いがするご経験は、何方にもあると思います。
そうです。スイカの皮の匂いの元もノネナールです。自分の体臭からスイカの皮のにおいがしたら、それが加齢臭です。

加齢臭って、介護施設の匂いだと思っていましたが、少し様子が違うようですね。古い油の匂いや、青臭い匂いで、その原因物質はノネナールだったとは。
お爺ちゃんの口が臭いのは
以前よく見かけたテレビのコマーシャルに「おじいちゃん、お口臭い…!」というのがありましたね。(笑)
加齢により口臭がひどくなる理由は、
- 加齢により口内の唾液の分泌量が減り、口内の殺菌作用が弱まり雑菌が繁殖しやすくなるため
- 加齢により、肝臓の機能が低下して、体内で生成されるアンモニアを尿素のに変えて体外へおしっことして排出する機能が弱まり、静脈血によって肺にアンモニア臭が運ばれてて、息にアンモニア臭が混じるため
の2つです。
一緒にお酒を飲むと、必ず、口内の雑菌の量は、肛門の雑菌の量より多いので、キスをする人の気持ちが分からない…、と酔いに任せては話される歯医者さんがいらっしゃいましたが、確かに口臭の激しい方からは、〇ンコの匂いがするので、あながち間違った話でもないかもしれませんね。
孫に嫌われない加齢臭・口臭対策
孫に嫌われない加齢臭対策
ノネナールの生成を抑制する対策
加齢臭を抑制するには、まずその原因物質のノネナールの生成を抑えるために
- 脂質を取り過ぎない食生活に心がける
- ベリー類・ダークチョコレート・ナッツ類・緑茶・トマト等の抗酸化物質を含む食べ物を努めて食べるようにする
- お酒のアルコール量を1日20グラム以下にする(ビール中瓶1本程度)
- 30分以上の運動を週2回以上する
- 睡眠時間を確保してストレスを解消する
- 紫外線をカットする
- タバコをやめる
- 体臭ケアのサプリメントを飲む
などを心がけて生活することが大切だといわれています。
いわゆる、普通に健康的な生活をしていれば、40歳を過ぎてもノネナールは必要以上には増えないという事ですね。
ノネナールを除去する対策
体内で生成してしまったノネナールを除去するには、
- 毎日ちゃんとお風呂に入る
- シャワーで済ませず、湯船に浸かる
- 加齢臭専用の石鹸やシャンプーを使う
- 気が付いたら、日中でも首や耳の後ろ、胸元、おなか、背中などをまめに拭く
- 枕カバーやシーツは、頻繁に交換する
- 消臭剤は、加齢臭に対応した製品を使う
ことが大切なようです。
特に、耳の裏や首など、昔お年寄りが、喫茶店のおしぼりで、手を拭いた後で、首や耳の後ろなどを拭いている姿を見かけましたが、マナー的な問題は別にして、加齢臭対策的には非常に効果的な所作だったのですね。
孫に嫌われない口臭対策
口臭の予防対策は、口内の殺菌作用が弱まり雑菌が繁殖しやすくなる環境の改善ですから、
- 毎日の歯磨きを口臭対策のできる歯磨き粉等に変える
- 歯医者で、歯槽膿漏や口内炎の治療を行う
が大切です。また、肝臓機能の低下からくる口臭予防対策は、
- 内科医で治療受ける
ことが大切ですね。
まとめ
今回、お爺ちゃんの匂いの正体について調べてみました。
分かったことは、
- お爺ちゃんの匂いの正体は、加齢臭と口臭に分けられる。
- 加齢臭の原因物質はノネナールで、40歳以降になると急激に生成される
- ノネナールは、少量であれば、ビールの芳香物質だったり、新蕎麦の香りの物質だが、いずれも量が増えすぎると不快な匂いに感じられる
- 加齢臭を防ぐには、ノネナールの生成を抑制する食生活や生活習慣が大切になるとともに、生成したノネナールを除去する入浴方法や、寝具の交換等の生活習慣も大切になる
- 加齢による口臭の発生は、唾液分泌の減少による雑菌の繁殖によるものと、肝機能低下による血中アンモニアの増加に起因するものがある。
- 口臭対策は、日常の口内環境の手入れと、歯槽膿漏等原因となる病気の治療のほか、内科医等専門医による肝機能改善のための治療等が重要となる
ことが分かりました。
また、介護等が必要になったさいの失禁脱糞を起因とする匂いの問題は、正確には加齢臭とは言えませんが、概ね高齢者にその状況が多いことから、最近は加齢臭と呼ばれることもあります。
今回調査した結果、加齢臭の原因物質のノネナールは、その量によっては香りとして喜ばれることもあるようなので、「お爺ちゃんの匂いがする」と幼い子供に言われた時に、お爺ちゃんのいい匂いと感じてもらえるように、日頃から健康管理につとめてノネナールの生成量を抑制していけば、まんざら「お爺ちゃんの匂い」も悪くはないようですよ。
シニアの皆さん。お孫さんに嫌われないようにお互い頑張りましょう!
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